【完】キセキ~君に恋した時間~




美海が死んでしまった事実を未だ受け入
れられないまま、淡々と葬式が進んでい
くのを他人事のように眺めていた。



そっと棺に近寄れば、眠るように横たわ
る美海。



そこに白百合を添えて、美海を見つめた




ただ、眠っているだけなんじゃないのか




こうして綺麗に化粧の施された美海を見
ていると、そんな気さえ、してくるのに




それは美海が灰になった事で、簡単に砕
かれた、希望論だった。



美海が灰になった。



もうそれ以上は、そこにいるのが辛くて
、吐き気もしてきて。



俺は一人で休んでいた。



……ほんと、なんなんだよコレ。



意味、わかんねーんだよ……。



悪夢ならいいのに。


これまでのこと全て、夢ならいいのに。






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