【完】キセキ~君に恋した時間~




いや、まともに話したのつい最近だけど
ね。



美海はそんな栄生君ににっこりと微笑ん
でから、俺の服の裾をちょっぴり引っ張
り、



「……ちょっと。なんであんたみたいな
男に、こんな絵に描いたような好青年の
お友達がいるわけ。あり得ない」



と、俺にしか聞こえないくらいの声量で
言ってきた。



普通なら、失礼な!と怒ってやりたい所
だが、言ってることが的を射てるため、
何も言い返せない。



ていうか……。



「友達じゃない」



栄生君と友達なんて恐れ多いというか、
俺に栄生君は眩しすぎる。



釣り合わないって……。



すると、美海がそんな俺を訝しそうに見
やり、また小声で喋った。



「友達じゃない……って。栄生君、あん
たのことすっごいキラキラした目で見て
るけど」



キラキラ……?





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