【完】キセキ~君に恋した時間~
身長が高くてもね、技術がなければただ
の屑なんだよー……なんて、言えないけ
ど。
どうやってこの場から抜け出そうか、と
思っていると……。
「ねえまだなの?遅いんですけど!」
というちょっと不機嫌そうな声と共に、
美海が現れた。
ナイスタイミング、美海!
美海は、俺が栄生君と話してるのに気づ
くと、ハッとしたように笑顔を取り繕っ
た。
「こんにちは。徹のお友達ですか?」
……おーおー。すごい変わりようだこと
。
いつもの美海からは考えられないね。俺
にもそのくらいしおらしくしててくれれ
ばいいのに。
ニッコリと笑った美海に、栄生君も微笑
む。
「初めまして。栄生鉄平です。徹君には
いつもお世話になってます」