トワイライト
   やがて心電図の針は限りなく0を上下して、心細い波線になりその線は間もなく消えた。




  すると如月の主治医は如月の手を取り、脈拍を確認した後静かな声で『午後9時45分ご臨終です』と告げた。




「い・いやあー!おばあちゃまあー!!!」
  と静かな病室に有の悲痛な泣き声が響き渡った。




  だが大雅はそんな有にかける言葉を見つけられずに
「有さん……」
  と一言言うと有の肩をしっかりと抱き寄せた。
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