【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
携帯を切った後、祐輝は思い出していた。


晴香と出会った初めての日のこと…


同僚の結婚式で、酔いつぶれてしまった晴香を、ホテルの部屋に運び、可愛い顔をして眠っている晴香に、一目惚れしてしまったこと…


子供ができたと聞いた時の感動…


安心しきっていた…結婚したら、家族になって、ずっと一生一緒にいるものだと思い込み、可愛いと思っていた晴香に冷たくしてしまった…


大切だった。


晴香も世利も…


本当に愛していたから、二人が幸せになるならと、この道を選択したはず…


でも、祐輝はこの半年、1日も二人のことを思い出さない日はなかった。


もう、手の届かないところに行ってしまう…


あの日晴香を愛した瞬間…


そして…


愛した証の世利にも、一生会うことはないだろう…


忘れなくては…


祐輝にとって、本当は辛い選択だったのだ。
< 10 / 279 >

この作品をシェア

pagetop