【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
父親の顔は、別人だった。


半年ほど前に会った時には元気にしていたのに…


何故こんなことに?


まるで機械をつけて、生かされているような父親の姿に、祐輝は涙を流した…


しばらくすると、往診の医師が来た。


廊下の向こうのソファーに座っていた母親達も戻ってくる。


「柴崎さんの息子さんですか?」


「はい…お世話になります」


「お父様ですが、非常に危険な状態です。手術が無理な場所でして…このまま昏睡状態が続くと…覚悟だけはしておいて下さい」


「父の病名は?」


「脳梗塞ですね…」


「もし、目覚めたとしてもマヒは残りますか?」


「今の状況なら、かなりの範囲に残ります」


「そうですか…もって…あと何日くらい…」


「今夜から明日にかけてがやまかと…」


母親が泣き出した。
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