【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
明日帰る前に寄るという話しで、病院から先ほど予約したホテルにタクシーで向かった。


部屋は23階


市内が一望できる。


祐輝は自分の実家の方向、憲吾が暮らしている場所などを説明しながら、二人で窓の外を眺めていた。


暗くなりはじめ、街に灯りがつきはじめると、さっきまで見ていた様子と違う景色に瑞希は驚きの声をあげていた。


「疲れていないかい?」


「うん…大丈夫。今日は私にとって、最高の日になったの。祐輝とこれから一緒にいることができる~そう思うだけで、楽しく幸せな気分になれるの~」


「そうか~俺もそう言ってもらえると嬉しいよ。これからは瑞希は一人じゃないよ。幸せってもっと言ってもらえるように、俺頑張るからな…」


何故だか…祐輝はホッとしたのと同時に、気持ちの中の不安と向き合っている自分がいた。


これから先に進む事に、期待という言葉よりも不安が心の中を占めていて、さっきまでの瑞希へ高まっていた気持ちが今はない…
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