教師Aの授業記録
第三講目



「やっ。そろそろ突っ込み役が板についてきた田中君。
酷くお疲れのようだが、どうしたんだね?」



「…ちっ。
その白々しさもすっかり板についてきやがったな。クソ教師」


教師Aと田中は、すっかり板についてきた、いつも通りの不穏な挨拶を交わし合った。


「お前がいつ睡眠薬を盛って、俺を訳の分からん場所へ連れて行くかが気が気でなくてな。
そろそろ真面目に教育委員会に訴えようかと本気で考えていたところだ」


「なるほど。
ならばTPOの力を借りることだな。父兄らの力は偉大だ」


「……PTAな。
ともかく、前回のようなことが今回も起こらないかと警戒してたんだよ」


「ふむ。
やはり頭は足らなくとも勘だけはよく効くようだ。
私の昔飼っていた犬に良く似ている」


「……いっぺん、殴っていい?」


「ずばり今回の授業のテーマは前回に引き続いて”地球征服”についてだ!」


「またもスルーですか」


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