復讐のkiss
「しかも、その剣は、

王位継承者の持つ剣ではございませんか?」


「?!・・・よく御存じですね?」

少女の言葉に驚きを隠せなかった。


この剣が、王位継承者が持つものだと

知ってる者の方が少ない。

イスタ帝国でも、家臣以外の者は、それを知らない。


それなのに、なぜ、

花売りの一般市民の彼女が、

そんな事を知っているのか?


疑いの眼差しを少女に向けた。


「す、すみません・・・

以前、王宮に花を届けに行った際、

メカアトの王女様が、その紋章が入った剣の絵を、

見ていて、たまたまお教え下さったんです」


何か悪いコトをしでかしたのかと、

ビクビクしながら、

しかも涙目になって、今にも泣き出してしまいそうな少女に、

私は疑うことをやめた。

今の言葉は、本心だと思う事にして。
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