復讐のkiss
「そうだったんですか・・・

疑ってごめんなさい」


「…いいえ。出過ぎた事を言いました」


「ここに来たら、また花を買いたいので、

貴女の名前を聞いてもいいですか?」



「…イシスと申します」


「ありがとう、じゃあ、私はこれで」

「あの!」

行こうとする私を、イシスは止めた。


「どうかしましたか?」

「貴方様のお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」

小さな声で、かろうじて聞こえた声。


私は微笑み、

「…ミラ、と言います」

本名を名乗った。



「…女性の名前みたいですね?」

「…フッ。よく言われます、それじゃあ」

私がいなくなるまで、イシスはこちらを

見つめていた。
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