復讐のkiss
「オレだけじゃないんですよ・・・

王、自らここに来てるんですがね・・・

全く、世話の焼ける・・・何やってる、ラメセス」


・・・うそ。

目の前に現れたのは、

もう二度と会う事などないと思っていた愛しい人。



「・・・遅くなって悪かったな。

でも、20歳に結婚した花嫁は、生涯、

幸せに暮らせると聞いていたので、今頃になった」


そう言って微笑んだのは、ラメセス。


私は両手で口を抑える。

嗚咽を漏らして泣いてしまいそうだった。



「オレと、正式に結婚してくれないか、ミラ王女。

イスタ帝国の王妃として・・・

そして我が妻として・・・」

私の目の前までやってきたラメセスは、

跪き、手を差し伸べた。


・・・その手には、キラキラと輝いた、

結婚指輪を持っていた。



「…お姉様、この国は私が責任を持って守ります。

お姉様は、その方と、幸せになってください。

お姉様には幸せになる権利がある、責任があります」

そう言って微笑んだのは、他でもない、

妹のレイラだった。
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