復讐のkiss
…ラメセスの言葉に、

ジェフティは、もう言い返せなかった。


その言葉が本当の事だから。

利き手を怪我してるのに、

使い慣れていない手で、剣を持って、

それでミラを守るのは、無理に等しい。

自分が傍にいると、ミラの集中が途切れる事も、

わかってはいた。


それでも、ミラの傍にいたかった。

この命をなげうってでも、

ミラを守りたかったから・・・


「ジェフティ、お願い。

イスタに帰って、傷を治して」



「…ミラ様」

「ジェフティ、ミラの泣いた顔が見たくないなら、

帰れ」

オシリスが静かに言った。

ジェフティは、私の泣き顔を、

マジマジと見つめた。


「…ラメセス王」
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