散華の麗人
そして、月を見た。
「こんな戦場で月見ですか?」
「ふふふっ」
月夜は月に手を伸ばして、拳を握った。
「“せかい”……はやく、つかまえないと。ね?」
「えぇ。」
リアンはそう言って口角を上げた。
「あしたは、あめね。」
月夜が笑む。
「……まっかなあめがたぁくさん。」
「期待していますよ。」
「ありがとう。」
ふふふっと低く笑った。
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