散華の麗人
少し、間があった。
「それよりも……千代様の葬儀は明後日、行われるそうです。」
茶々は気持ちを切り替えて、淡々と報告をした。
「そうか。」
どこか、安堵したように一正が頷いた。
(亡くなってかなり経つのに)
気の毒に思いながら、風麗は話を聞いた。
「漸く、安らげるな。」
ぽつりと一正は言う。
誰に言う訳でもなく、表情を変える様子もない。
唯、その事実と向き合っているように見える。
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