散華の麗人
風麗は頷く。
「そんな甘い考えだと、後ろ指を指されますよ。」
「後ろ指なんて大したことやない。国が在る限り、そこに民がいる限り、わしは国王であり続ける。それが、わしの誇りや。」
一正を案じるリアンに一正は笑って答えた。
「……貴方は、凄いですね。」
リアンはぽつりと言った。
「僕にはそんな決意は出来ません。」
「あんたはプライド高いからな。後ろ指を指されるくらいなら、名前だって捨てるやろ。」
「ええ。」
「わしからすると、それはそれで凄い覚悟やと思うぞ。」
一正は感心したように言う。
「僕はただ、逃げただけです。」
リアンは呟いた。
その言葉に怪訝そうな顔をして風麗がみる。
「……それで、食糧の件は如何されますか?」
「せやな……」
一正は少し考えた。
「風麗。与吉郎を呼べ。」
「は。」
風麗は襖を開けて外に出た。
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