散華の麗人
そして、静かに目を閉じて考える。
張り詰めた空気が流れた。
(……名ばかり、ではないか。)
風麗は一正を見た。
いつもと違って、陛下らしい顔だ。
眉を寄せて仏頂面をしている。
少しして、目を開いた。
「……明日、全兵を集める。」
「明日!?いくらなんでも急すぎます。」
「誰が、戦を始めると言ったか?」
思わず叫んだ風麗に一正は笑った。
「まぁ。見ていなや。」
そう言って笑った。
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