散華の麗人
かこん、と少し離れた場所にある鹿威しの音が聞こえた。
「え?」
「……あぁ!?」
目を丸くする茶々に時雨は威圧感を出す。
「女子とばかり思ってました。」
「貴様、叩き斬るぞ。」
時雨は怒りを露にする。
「木刀では斬れませんよ?」
「案ずるな。この自室には刀がある。」
そう言って、近くに立て掛けてある刀を出す。
「貴方こそ、その髪を切っては如何ですか?」
「口が減らない餓鬼だ。」
「私を斬っても刀が錆びるだけです。」
「その程度で錆びるものか。」
臆することがない茶々に時雨は呆れる。
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