散華の麗人
小さな門があり、裏道へ続く道。
そこに、2人の少年の姿があった。
後ろには馬が居る。
どうやら、小さな門だった為、蹴破ったようだ。
「てめぇえええ!!態と、険しい道を選んだだろう!?あと少しで、おれは死ぬところだ!」
「死ねば良い。人間如き、どうでも良い。」
「そういうところが嫌いなんだよ!」
「知るか。好かれたくもない。」
「ほんと、可愛くねぇえええ」
地団太を踏んで怒鳴る少年と、それに対して淡々と答える少年。
「あれは……」
「何や?あれ。」
呆然とする風麗の後ろから一正が来る。
「わ!!陛下。」
「漸く外に出たか。引きこもり。」
びっくりする風麗に対して、雅之は平静だ。
「あ!」
少年は此方に気付いて声を上げる。
「おう、辻丸。元気にしとるか?」
一正は元気に騒いでいる方の少年を見る。
「そっちこそ。病気は大丈夫なのか?」
辻丸と呼ばれた少年は一正をじろじろと見る。
「あんたに案じられるとはなぁ。」
「それ、どういう意味だよ。」
辻丸が口を尖らせると、馬の足音がして、もう1人来た。
「細川国王……いえ、隠居殿。」
その声から、女性のようだ。
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