恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
驚いて箸を咥えたまま顔を上げた。
きょろ、と周囲を見渡せば、2列ほど向こうの机で三輪さん達が席を確保していた。



「おつかれ。いいの?あっち」

「席探すの大変だし。向こうも3人分より2人の方が座りやすいだろ」



彼女達のほうを指差しながら聞くけれど、確かにその通りの返答。
彼はもうランチを食べ始めていて箸の先に唐揚げが刺さっていた。



「いっつも唐揚げだよねー…」

「美味いもん」



まぁね。確かに。
でも唐揚げ食ってるとこしか思い出せないというのも…。


なんて。


さすがに二人だけというのは気まずくて、唐揚げに思考回路を集中させている。
二人で話すのなんて、どれくらいぶりだろう。


笹倉は、気まずくはないのか。


じっと唐揚げを見ながら何か会話を探していたら、目の前に箸で唐揚げが差し出された。



「は?」

「欲しいんじゃないの?じっと見てるから」



食え、とばかりに口元まで。
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