恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「お前がもうちょっと…短絡的な人間だったら良かったのにな」


なんて、彼女の所為にしたくなる。


思考と過去を巡らす俺は、彼女にはただぼぅっと見下ろしているだけにしか見えないだろう。



発展することを放棄した俺達の関係は
あの日から何も変わらないまま



どん詰まりになって、破綻した。


急に取り残された、寂しさだけを伴って。








「……――――お降りのお客様は、足元にお気を付けください」

ぴくん、と握った手が痙攣したように跳ねた。



電車のドアが開く音と車掌のアナウンスで、現実に引き戻される。
目の前の彼女の顔を見ればもう赤みも引いていて、眉根を寄せて見上げていた。


「…大丈夫?すごくぼんやりしてたけど」

「ああ、ごめん。降りるの次だな」



一瞬、降りる駅かと思って焦った。



「…悩みでもあるなら聞くよ?」

「………うん」



お前が言うな。
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