恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「……ぇ…?」



鳩が豆鉄砲…。
私と笹倉を交互に見上げる三輪さんは、まさしくそんな表情だった。



「え、だって、何度も…狭山さんのアパートに…先輩のマンションにも…」

「うん。だから…そういう関係だけど、彼女じゃない…っていう感じで。それもこないだ、解消したんだけど」



笹倉を見た。
私がどうしたいのかなんとなくわかってるのか。
多少腑に落ちない顔で嘆息していたけど、三輪さんへと向き直ると、言った。



「俺、三輪さんに好きになってもらうような良い男じゃないからね。合コンで知り合った女の子と一晩遊んで顔面引掻かれるようなヤツだから」

「……ぇ?」



捕まえてから初めて、彼女は笹倉を視界にいれたんじゃないだろうか。


気不味いことさえ忘れるくらい、衝撃だったんだろうかと思えばますます申し訳なくなる。


大きく目を見開いて、言葉もない様子だった。
瞬きを繰り返す彼女に、私は言った。


「私も笹倉もほんと最低だから。誤解させてごめん」


言ってて自分で哀しくなった。
人様に堂々と言えないようなこと、やっぱするもんじゃないな。


そしたら、三輪さんもこんなことしなかったかもしれない。
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