恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「別に、遠ざけようとしてたわけじゃなくてさ。三輪さんの気持ちはなんとなく解ってたけど応えられないから、距離を置いてただけなんだよ。せっかく、飲み仲間になれたのに、気不味いのは嫌だったからさ」
その後は私はとりあえず謝ったことで自己完結して満足だったので
笹倉と話をしている三輪さんから離れて、恵美の傍に寄った。
笹倉が三輪さんを宥めて綺麗に収めようとしているのを見て
「昨日も話したんだけどね…瑛人君、絶対確信犯だから。ああいうとこはやっぱり好きじゃない」
と、恵美が苦虫を噛み潰したような顔で言う。
「なんかいやらしさが、垣間見える気がしない?」
眉尻を下げて、私は笑った。
「まぁ、他にどうしようもないじゃない?こんくらいのことで、店に居づらくなっても可哀想だし」
「二人付き合ってることにしとけば良かったんじゃないの?あんな噂流れてるとこに今度は二人はセフレでしたなんてことになったら、肯定するようなもんじゃない」
「三輪さんも、もう誰にも言わないでしょ、きっと」
ホンの少し、魔が差したとか。
正気じゃなかった。
それだけのことだと思う。
「それより、恵美さ」
随分と様変わりした、久しぶりに話す友人を見た。