恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「お父さんも十分受け入れ早いから。私、もうちょっと怒られるかと思ったわ」

『子供のことは兎も角、相手のことは帰ったらきっちり聞かせてもらうからな』


調子に乗りかけて、父の声が低くなったことに背筋が伸びる。
聞かれても、とても答えられないんだけど…。


そう思えば、呑気な里帰りにはなれそうにない。



然し乍らこれでとりあえず、アパートを引き払って一旦身を寄せる場所は確保できた。


復帰先に関しては、まだ決まってはいないが、例の新店に店長としてではなく一販売員として異動できればそれがベストだ。


店長から話を聞いた一条さんに会う早々に冷ややかな目で見られたが


「まぁ、決めるのは僕じゃないですしね。復帰先、希望通りには行かないかもしれませんが、人事に口添えはしときます」


と言ってくれた。
11月中に急遽派遣で販売員を探してくれたのも、一条さんだ。


例え視線が冷ややかだろうと、頭は上がらない。



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