恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「うわ、可愛い。とりあえず何か欲しい」

「このもこもこおくるみ可愛い!白なら男でも女でもどっちでも良いよね、私これ買ったげる!」


ベビー専門店に着いて、私と恵美は俄然テンションが上がってくる。

が。

横槍を入れる人が約一名。


「…それ、新生児からせいぜい6ヶ月くらいまでのだろ。産まれるの初夏頃なんだから、赤ん坊でかけりゃ殆どつかえねぇ。来年になってからサイズ合わせて買え」

「あ…そうか」

「服は出産近づいてから買ったほうがいいんじゃないか。今買うなら精々肌着くらいか、オールシーズン使えそうなこの辺とか」


藤井さんが、説明しながら割と薄手のベビー服を示してくれる。


「なるほど」


確かに最もな話だ。
が、何か違和感を抱いてしまう。


「あ、あそこの日用品も見にいこ!哺乳瓶とかいるよね?」


少し離れたところに、ベビーの日用品が見えて恵美が指差しながら言った。


「洗い替えもいるよね。最初は頻繁なんでしょ」

「でも母乳が出たら殆ど使わん。風呂上りに白湯飲ませるくらいしか」


違和感、確定。
私と恵美は、眉を潜めて同時に藤井さんを見上げた。


「…ちょっと、なんでそんなに詳しいの。ドン引きなんだけど」

「え…もしかして、まさかの子持ちですか?」


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