恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「ただ、三輪さんの気持ち思うと、しない方が良いと思う」

「ま…その方が現実的だよな」

「そだね」



多分私だったらそんな風に誘われたら罰なようにしか考えられないと思うんだよな。


それでも、皆集まって楽しかった時みたいに最後にもう一度って思うのは、独りよがりの感傷的な考えで、綺麗事にしか過ぎない、そんな気がした。


この件に関しちゃ笹倉も解決策なんか浮かばない様子で。
結果、二人沈黙。


さして興味もないテレビの音だけが、流れる。
丁度、ジュエリーのCMが流れているところだった。



「…そだ。」



落ち着いてから開けようと思っていた、指輪の入ったショップバッグがテーブルの隅にある。


それを、取手の紐を掴んで引き寄せた。



「開けていい?」

「あ、やっと興味持ってくれた?」

「ちゃんと最初から持ってますー。ちゃんと嬉しいですー」



棒読みでそう答えながら、ショップバッグの中から小さな正方形の箱と長方形の箱と二つを取り出す。


シュル、と絹の擦れる音をさせながらリボンを解くと、ぱか、ぱか、と両方開けて目の前に並べた。



「お前、もうちょっと感慨深くだな…」

「綺麗。嬉しい」



まだ傷一つ無いリングは、それぞれ真上にある照明を反射してとても綺麗だった。


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