恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
産婦人科の個室はとても綺麗で、過ごしやすい。
カーテンも小花柄で可愛い部屋だった。
赤ん坊は今日一日は新生児室で過ごして、明日から母子同室の予定。
あの後、母も赤ん坊と対面して派手に感動の涙を流してくれた。
一旦帰って、仕事が終わった父と後からもう一度来るそうだ。
恵美やカナちゃんと店長、それから藤井さんにも、写メを送った。
瑛人は疲れたらしくて、丸椅子に腰掛けてベッドの上に突っ伏している。
綺麗な切れ長の目が閉じられて、小さな寝息が聞こえ始めた。
いやいや。
疲れてるの私だからね。
言いたいが、まだ私の手を握ったまま離さないでいるその可愛さに免じて、今は寝かしておいてあげることにする。
私はといえば、逆に目が冴えてしまって全く眠れないのだけど。
お腹がすいて、夕食の時間が待ち遠しいくらい。
暇を持て余して、先ほどから何度も眺めている写真立てには、分娩室で撮ってもらった写真が入っている。
―――…可愛いな。会いに行きたいな。
でも、まだ歩いたらダメらしいしなー…。
諦めて、胸の上に伏せて置く。
じんわりと、暖かい、錯覚に目を閉じる。
happybirthday
家族にしてくれて、ありがとう。
「愛してるよ」
指先で、彼の手の甲の筋を辿りながら。
愛の言葉を口にした。
『恋愛放棄』
anniversary. end.
産婦人科の個室はとても綺麗で、過ごしやすい。
カーテンも小花柄で可愛い部屋だった。
赤ん坊は今日一日は新生児室で過ごして、明日から母子同室の予定。
あの後、母も赤ん坊と対面して派手に感動の涙を流してくれた。
一旦帰って、仕事が終わった父と後からもう一度来るそうだ。
恵美やカナちゃんと店長、それから藤井さんにも、写メを送った。
瑛人は疲れたらしくて、丸椅子に腰掛けてベッドの上に突っ伏している。
綺麗な切れ長の目が閉じられて、小さな寝息が聞こえ始めた。
いやいや。
疲れてるの私だからね。
言いたいが、まだ私の手を握ったまま離さないでいるその可愛さに免じて、今は寝かしておいてあげることにする。
私はといえば、逆に目が冴えてしまって全く眠れないのだけど。
お腹がすいて、夕食の時間が待ち遠しいくらい。
暇を持て余して、先ほどから何度も眺めている写真立てには、分娩室で撮ってもらった写真が入っている。
―――…可愛いな。会いに行きたいな。
でも、まだ歩いたらダメらしいしなー…。
諦めて、胸の上に伏せて置く。
じんわりと、暖かい、錯覚に目を閉じる。
happybirthday
家族にしてくれて、ありがとう。
「愛してるよ」
指先で、彼の手の甲の筋を辿りながら。
愛の言葉を口にした。
『恋愛放棄』
anniversary. end.


