恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
吐き出してしまえば、イライラだけが胸に残る。



「遊びも本気も兎に角藤井さんとは絶対ありません!」


幸いながら苛立ちをぶつける相手は目の前なのだが


「まぁまぁ、カリカリすんなって。あ、携帯番号教えて」


更に苛立たせる原因にもなるから厄介だ。


「カリカリさせといて、よくそんなことが言えますよね?B型ですか」


マイペースにも程がある。


「B型に自己中が多いって、そう言われて育つかららしいって知ってた?」

「知りませんよ」



これ以上ここにいたら
溜息吐きすぎて酸欠になりそうだ。



「もう行きますよ。トイレに行ってから時間経っちゃってるから不審に思われるじゃないですか」

「口説かれてましたって言えば?」



絶対いやだ。
店内に戻ろうと、ドアノブを回して扉を開けた。



「みさ?なんでそんなとこから……」


目の前に、トイレから出てきたのであろう、恵美がいた。


「おい、出口で止まんなって」


真後ろから声がして、押し出てくる藤井さんへと、恵美の視線が向いたのがわかる。


「そんなとこで、何してたの?」


それから私に戻った恵美の視線に、明らかな嫌悪感が見えた。


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