恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「頭のてっぺん痛いよ」


ごりごり刺さる顎に抗議した。


「んー…」


そしたらちょっと柔らかい感覚に変わったから、きっとほっぺだ。


「俺、ちょっとは焦ったかも」

「うん?」

「このポジションに上がってくるやつ。直感だけど」

「どういう意味?」


返す言葉が見つからなくてわからないフリをした。


「…恋とか愛とかじゃなくても、情はあるってことだよ」


小さくて掠れた言葉につながりがなくて、胸の中をそのまま言葉にしてるような。


だから黙って目を閉じることにした。
私の返事を期待して喋ってるような気がしなかったから。


ごり。


また、頭の上で顎が刺さった。



「なんか言え」



あ、返事期待してたのか。



「脈絡ないから独り言かと思った」

「ないように思うのは合間を省略してっからだよ」



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