恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「省略しないでちゃんと言ってよ」


まだ顎がささってるから頭との間に手を挟んだ。


「いいや、もう眠い」


その手の甲に、唇をよせられて、吐息が触れた。


「そっちから話振ったくせに」


腕の中で、向きを変えた。鎖骨と少し上に喉仏。あったかい肌の匂い。



「今日はしないの?」

「酒入ってるからたたね」

「え、そういう人だっけ?」

「嘘。眠いんだって」



間接照明の朧気な輪郭は、名前のない私たちの関係そのものだ。



「私の中にも、あるよ」



そう言って、返事はなくて、今度こそ二人、眠った。




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