俺のこと好きになるの禁止だから!!


私たちは学校に到着し、いつも通りの練習を行った。




教室に戻った時の彼の態度はいつも通りで
はっきりとした言動で私を指導する。



「じゃあな」



「うんっ」



結局そのあとは
何でもない会話を交わして別れた。



それでもいい気がする。



私は満足だ。




そう言えば、コンビニで買ったパンは



雨に打たれてびちゃびちゃになっているかと思っていたんだけど



そうでもなかった。



袋にうっすらと水滴が残る程度のものだった。



「パンっては湿気に強いのかな?」



と、私が言うと


ツバサは



「いや、袋詰めしている企業努力の結果だな」



なんて言って笑っていた。



だけど、私は知っているんだ。



彼の腕が必要以上濡れていたことを。


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