シルティアの魔術師
「カトリーナ様に申し上げます。タートス殿がお目通りを希望されております。」


それは、伝令の声でした。


「やれやれ、またタートス殿ですか。カトリーナ様、今は剣のお稽古の方が大事ではないかと思いますよ。ですから彼にはお引き取りをー」

「ーいいえ、お通しして差し上げて下さい。」



姫君の声が優しげながらもはっきりと響きます。


人の言葉を途中で切られる事などないのに、それは珍しいことでした。
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