シルティアの魔術師
姉…上?
では、姫君はまさかー…?


私の動揺をよそに、2人の会話は続きます。



「やはり…とは、もしかして以前から気が付かれていたのでしょうか?」


姫君は、微笑みの表情を崩さずおっしゃいます。



「…初めてそう思ったのは、あなたが騎士と共に私の所に来た時でした。ー例え召還対象が大量の虫であろうとも、あれは強い魔力を持つ者にしか成し得ません。」


そう言うと、彼の表情が一瞬柔らかいものに変わります。


「後は…この1年あなたと幾度もお話しして、それは少しずつ確信へと近づいて行きました。」
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