君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「そりゃ圭吾の部下なんだから、圭吾が家まで送っていけばいいじゃない」


「は?俺が?」


「そうよ。菜々子ちゃんなら送っていけるでしょ?」


「えっ?」


なぜか優は人をからかうような笑みを浮かべた。


「圭吾ったら無意識なのね。...触れないほど嫌いなくせに、さっき菜々子ちゃんに自ら触れていたじゃない」


「...!!」


「びっくりしちゃったわよ。女嫌いで有名な圭吾が、目の前で普通に菜々子ちゃんの近くに座って触れているんだもん」


「いや、それはー...」


「別に私にくらい隠さなくてもいいんじゃないの?...菜々子ちゃんのこと、好きなんでしょ?」


確信めいた目で俺を見つめてくる優。


なんだって俺はそんな行動をとってしまったのだろうか。


今更後の祭り。

それに優にだけは嘘は隠し通せないことは、昔から嫌になるほど熟知している。


「...あぁ。優の言う通りだよ」


「やっぱり!」


それに今言わなくても、疑いを持った優は執拗に俺を問い詰めてくるだろう。


「そっかー。嬉しいな!やっと圭吾も一歩前に進めたんだね」


「えっ?」


そう言うと、優は俺の隣に腰をおろした。


「なっちゃんから自立の一歩よ。...圭吾さ、あんたは女以上に女々しすぎなのよ」


「女々しいって...。本当に失礼な奴だな」


「あら、誉めているのよ?女以上に純粋に一人の人を愛しすぎなのよ」


優に返す言葉が見つからなかった。



「仕方ねぇだろ?あいつは俺にとって初めての女だったんだから」


「あら、よく言うわね。なっちゃんと付き合う前の圭吾は女を取っ替えては、遊んでいたくせして」


そうだった。
高校時代の俺はそんな男だった。

高校進学と共に急激に伸びた身長。

周りに流されるように、同じような格好をすると、驚くくらい女が寄ってきた。

それに気分よくした俺は、まるで使い捨てのように女を知り尽くした。

ちょっと甘い言葉を言うと、すぐ受け入れてくれる。

一時の快楽と温もり。

それを与えてくれるだけの存在。

それだけしか考えてなかった。女という存在を。


でも、あいつと出会ってしまった。


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