君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「そんな俺だったから、だよ」


全てが初めてだった。


女に対して、好きという感情を抱いたのも、あんなにも離れられないと思ったのも...。


「そうだったねぇ...。圭吾は、なっちゃんにベタ惚れだったもんね。だからさ余計に申し訳なく思っちゃったの」


「えっ?」


「私がなっちゃんを紹介しなければ、圭吾にあんなにも辛い思いをさせずにすんだのになって。こんな私だけど、一人前に罪悪感一杯だったのよ?」


「優...」


「いい加減、幸せになんなさいよ!」


「いって」


そう言いながら優は俺の背中を、強く叩いてきた。


「圭吾が幸せになってくれないと、私も安心してお嫁にいけないじゃない」


「フッ...優は俺の母親かよ」


「そうよ。昔から何かと面倒見てきたでしょ?圭吾の悪いところも良いところも知ってる。...幸せ一杯だった圭吾も、悲しみで一杯だった圭吾も知ってる。だから言えるの。早く幸せになってね」


切実な願いを込めるように俺の瞳を見つめる優。

優は優なりに、辛い思いをしてたんだな。それなのに俺は自分のことばかりだった。


「優はさ、罪悪感で一杯だって言ってるけど、そんなの感じることねぇよ」


「えっ?」


だってそうだろ?


「むしろ俺は感謝してるよ。奈津美と出会わせてくれて」


「圭吾...」


奈津美と出会えなかったら今の俺はいないと思う。


「奈津美と出会えなかったら、俺はきっと昔のままのどうしようもない奴で、仕事だって今みたいに楽しいと思えずにただ、適当にこなしていたと思う。...だから俺は後悔なんてしていない。あいつとの出会いには意味があったんだから」


あんな別れ方をしちまったけど、それも運命だったんだと今なら言える。

それに、どんなにあいつを想い続けていても、もう昔みたいに戻れないことくらい知っていた。


「今日は優と会えて話せてよかったよ。知ってる通り、俺も前に進んでるから。だから優も罪悪感なんて、余計な感情は捨てろ」

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