君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「別に俺達、別々に暮らすからって幼馴染みで友達であることには、変わりないからな?...辛い時は昔みたいに、いつでも頼れよな」


そう言って翔ちゃんは、私の頭を乱暴に撫でる。


「...ありがとう」


一言伝えるだけで、精一杯だった。

今の私には、さっきの翔ちゃんの言葉が辛い。


頑張っていつも通りに過ごそう!って思っていたのに、その決心が崩れちゃうじゃない...。

大きく深呼吸して、ぐっと涙を堪える。


ちょうど会社付近に到着し、翔ちゃんはハザードをたき、路肩に車を停める。


「じゃあ、さ。本当に辛くなったら、翔ちゃんのところに行くから。...その時は、よろしくね」


そう伝えると、翔ちゃんは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐにまたいつもの笑顔を見せてくれた。


「あぁ。いつでも大歓迎だよ」


また私の頭を乱暴に撫でる。


「ちょっと翔ちゃん!これから会社に行くんだからね!」


窓ガラスを見ながら髪を整える。


「悪い悪い」


シートベルトを外してドアを開ける。


「送ってくれてありがとう。助かったよ」


「菜々子!俺、今日は遅くなるから。桜子と適当にご飯食べてて」


「翔ちゃんは食べないの?」


「あぁ。食べてくるから。じゃーな」


「気を付けて、頑張ってね」


「菜々子もな」


ドアを閉めるとすぐに車は行ってしまった。


「...さて、仕事だ」


歩き出す。


...昨日、東野さんに話してもらえなくて辛くて、悲しくて、どうしようもない気持ちで一杯だった。

だけど、橘さんがいて、藤原係長がいて。
そして翔ちゃんがいて...。
私、幸せ者だよね。辛い時に傍にいてくれる人がいるんだもの。


私、信じてもいいんだよね。
東野さんの彼女は私だって。特別な存在だって。...東野さんー...。


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「...あら、泣き虫さんおはよう」


「おっ、おはよう」


更衣室へ行くと、いつもと見慣れた場面。

ロッカーが隣で必然的にいつも顔を合わせる橘さん。
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