君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
お互い、何か話すことなく会社へと歩いて戻る。そして会社付近まできた時、急に橘さんが口を開いた。


「...悔しいけど、寂しいわよ」


「えっ...何が?」


急に言われ、意味が分からなかった。


「だっ、だから!さっきの質問の答えよ。...確かに櫻田さんがいなくなったら寂しいわ。こうやって一緒にランチしたり、恋ばなしたり出来なくなるんですから...」


「橘さん...」


自分で言ったというのに、顔を真っ赤にする橘さん。


「まっ、まぁ、私は行くべきだと思うわ!好きな人と離れていいことなんて、何一つないんだから!」


「...うん、ありがとうー...」


そんな風に言ってくれてありがとう。『寂しい』なんて言ってくれて、本当にありがとう。


好きな人とずっと一緒にいたいって気持ちは変わらない。だけど、私の気持ちは少しだけ橘さんと違う気がするの。


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「それではお先に失礼します」


「あぁ、お疲れ様」


いつも通り挨拶を済ませ、ほっとしてしまった自分がいた。とくに業務上以外の会話をすることなく、一日が終わった。今は正直、東野さんと何を話したらいいのか分からなかったから...。
好きだと。誰より好きな気持ちは変わらないのにな。

さっきの答え。私はきっと『好き=全て』に結び付かないんだろうな。


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「そんなの当たり前じゃん!行くんじゃねぇぞ、菜々子っ!って、いてぇぇ!」


「わぁ~!ちょっと桜子!大丈夫!?」


帰宅後。先に帰ってきていた桜子と夜ご飯の準備をしていた時、翔ちゃんのこと以外全て話した。前に仲間外れにされている気分だって傷つけてしまったし、桜子にもちゃんと話したかったから。
...で、話したはいいけど急に怒り出して、ピーラーで自分の指を削る始末。


「いってぇ!血出ちまったし!」


「もう!危ないんだから。ちょっと待ってて。救急箱持ってくるから」


「わりぃ」


桜子と久し振りに一緒に料理したけど、本当に全然出来ないのね...。

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