君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「はい、これでよし!」


「サンキュー」


桜子の指の手当てをし、消毒液や絆創膏を片付ける。


「...菜々子は昔から変わらねぇよな」


「えー?何よ、急に」


「優しくて、素直なところ。...私が気にしてたから、ちゃんと話してくれたんだろ?それに、こうやってご丁寧に手当てしてくれてさ」


「普通でしょ?友達なんだから」


当たり前のことよ。


「い~や!まぁ、他人が普通だって言うかもしれねぇけど、私と翔太はその菜々子の普通に、今まで沢山救われてきたよ」


「えっ...?」


どういう意味?


「私さ、昔からこんなじゃん?兄貴や弟達と一緒にいてこんな性格になっちってさ。...まぁ、私は別に気にしてなかったけど、周囲は違った。女らしくしろ。とか、男みたいでやだ。とかな。子供ながらに受け入れてもらえない現実に、傷ついてた」


桜子...。

確かに桜子は昔から男の子みたいな言葉遣いだった。男子と喧嘩したって負けたところ、見たことないし。


「だけど、菜々子は違った。最初から私を受け入れてくれた。...子供ながらに嬉しかったよ」


「別にそんな...」


「私にとって菜々子は大切な友達だよ。だから言わせてもらう。そんな目的もなく海外なんて行くもんじゃねぇよ。菜々子さ、今の仕事楽しいか?やりがい感じてるか?」


「それは勿論...」


「本当かよ?」


楽しい?やりがい?
仕事は好き。いくらだって頑張れるし、頑張りたいと思う。だけどー...。


「勝手な解釈だけど、菜々子さ、東野さんに認めてもらいたいから頑張ってきたんだろ?頑張れたんだろ?
今は認められて恋人同士になれてさ、菜々子にとって仕事って何?...今はただ、淡々と毎日過ごしているだけなんじゃねぇか?」



「そんなことはー...」


そんなことはないよね?


「私も翔太も仕事がすっげぇ楽しいよ。翔太は大好きなお菓子の開発だろ?私はみんなで一緒に一つのものを作り上げる今の仕事に誇りを持ってる。...そんな曖昧な返事しか出来なくて、行ってどうするんだよ。ぜってぇ後悔すると思うぜ」

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