2LDKの元!?カレ

いつしかそれに甘えて、相手を思いやれなくなって、すれ違いを理由に別れを切り出したんだ。

なのに、それからも聡は私の傍にいてくれたから、彼を失った実感がなかったのだと思う。

でも、今回は違う。本当の意味での別れ。

彼を失うということ。

お味噌汁をすすったら、大好きな具が入っているのに気が付く。

「……これ」
「うん、志保子好きだろ?」

泣きそうだ。

「……なんで」
「なんでって、だって今夜は仲直りしなきゃと思ってたから。どうせ作るなら志保子のお気に入りのものをって思ってさ。気に入らない?」
「そんな……わけないじゃない」

聡は「お茶でも入れるか」と立ち上がると背を向けたまま言った。

「……でもまさか、こんなことになるなんて。さすがに予測出来なかったけどな」

こんな時、涙を止める方法があったら教えて欲しいと思う。

「ごめん……ごめんね、聡」
「志保子、泣かないでくれ」

聡は持ってきたタオルで私の涙をぬぐってくれた。

そしてダイニングテーブルの向かい側に座って、私が泣き止むまでそこにいてくれたのだった。


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