2LDKの元!?カレ
しかし、世の中そう上手くはいかないもので。
三時過ぎに編集長に呼び出された私は、予算が高すぎるとの指摘に頭を悩ませることとなった。
「……どこを削ればいいっていうのよ」
ラグジュアリーナイトは仕事終わりのアフターファイブから始まる。
まずはドレスアップのために、服を購入。それからヘアサロンへ。ヘアメイク、ネイルまで施した後は待ち合わせ場所へと向かい、ル・シエルでのディナーで締めくくる。
この一連の流れをストーリー仕立てにして、『恋人と過ごす夜』と『大切な誰かと過ごす夜』の二パターンを対比させながら進めていくのだ。
目玉となるル・シエルは当初予定していたように、最終ページに鏑木圭のインタビューを組む。しかも、西野くんのプッシュで三組限定ではあるが、ディナーの優先予約が取れるようになった。
流れは完璧。後は予算。
モデルも、カメラマンもライターも変更するつもりはない。
私の言わんとするところを感じて形にしてくれる人たちは、他にはいないからだ。
何度も仕事をするうえで、築き上げてきた信頼関係を予算云々で切り捨てたりはしたくない。