2LDKの元!?カレ
食事が終わるころには、深夜零時を回っていた。
終電には間に合うだろうと思いながら後片付けをする。キッチンに立って洗い物を始めると、手伝いますよと言って西野くんがやってきた。
「ありがとう。でもすぐに終わるから向こうで休んでていよ」
「……でもオレとしては、少しでも一緒にいたいんですよね。せっかくこうして来てくれたんだから」
西野くんは私の後ろから腕を回すと抱きしめた。ギュッと力を込められると、つかんでいた皿を落としそうになる。
「西野くん、離して。ちゃんと洗えないじゃない」
「洗えなくてもいいんです。だってそれ、終わったら帰っちゃうでしょ、志保子さん」
そういいながら、私のうなじに顔を埋める様にして唇を押し当てると、つぶやくように言う。
「帰したくない」
その言葉の指し示す意味を、私は理解している。
もう、子供じゃないから。
「泊まっていきませんか?」
そう聞かれて、私は泡だらけの手を水で流すと小さく答えた。
「……うん」
付き合い始めてまだ間もない私たち。少し急ぎすぎじゃないかとも思った。
けれど、今夜西野くんに抱かれることで、彼への気持ちを揺るぎないものへと変えることができるかもしれない。
そんな打算的な自分がとても汚く思えて。でも抱きしまられたまま繰り返されるキスに甘くしびれた思考は、それ以上はなにも考えられなくなってしまった。