2LDKの元!?カレ

それからすぐに運ばれてきたシャンパンを一口飲込むと、私はホッと息を付く。

その様子を見ていた西野くんは、クスクスと笑いだした。

「小松チーフ、緊張しすぎですって」
「……だって、こんな高級店に入ったことなかったんだもの。それに取材交渉の事考えたら緊張しない訳ないじゃない」
「確かに、三ツ星のグランメゾンだけあって格が違いますよね。でも、きっと上手くいきますから大丈夫です」
「……うん、そう信じたい」

西野くんの余裕の表情に、頼もしさすら感じて、本当に大丈夫な気がしてくるから不思議だ。

食前酒を飲み終えて、料理をコースでオーダーすると、入れ替わりでソムリエバッチを胸に付けた男の人が分厚いワインリストを持ってやって来た。

西野くんはリストに目を通すと、私に好みを聞いてから「ピノ・ノワールの優しいモノを」とスマートにオーダーする。

「で、よかったですか?」
「もちろん」

私が頷くと、西野くんはワインリストをパタリと閉じて「ちょっと勉強してきました」と照れたように微笑んだ。


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