2LDKの元!?カレ

それから降りてきたエレベーターで一階まで降りる。

扉が開く瞬間にいつの間にか離された手。それは、わきまえているといった彼の言葉を証明するものだった。

「行きましょうか、チーフ」
「うん」

ビルの外に出ると、ムンとした熱気に包まれる。

まだまだ残暑が厳しいでしょうと朝のニュースで言っていたのを思い出した。一気に噴き出す汗を押さえて、急いで隣のビルに入っているコンビニへ駆け込んだ。

店内を回ってサンドイッチとフルーツゼリーを手に取ると、西野くんが私の手の中から商品をヒョイと持ち上げる。

「一緒に払いますよ」
「いいよ、悪いから」

西野くんは「そんなこと言わないでください」といって素早く会計を済ませてしまう。

先輩としてなら断った方が良いけど、彼女としてなら甘えても良いかな。

「ありがとう」
「どういたしまして。それじゃあ、戻りましょうか」
「そうだね。やらなきゃならないことが山積み」

編集部に戻ると給湯室でコーヒーを入れ、作業の続きをしながら買ってもらったサンドイッチを頬張った。
< 83 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop