2LDKの元!?カレ
「ねえ、西野くん。おなかすかない?」
「……はい。そう言われれば、すいたかもしれません」
そういいながらお腹のあたりに手を置いた。
「何か買ってくるよ。何がいい?」
カバンからお財布を取り出して、立ち上がると西野くんも立ち上がる。
「オレも行きます」
二人で編集部から出て、エレベーターを待つ間、西野くんの右手が私の左手に触れた。
「志保子さんの手、小さい」
そういいながら指を絡め、キュッと握ってくる。
「西野くん、手」
「いいじゃないですか、誰も見てないし」
そういって握った手を前後に振った。
「オレだって、ちゃんとわきまえているつもりです。人前ではしません。付き合い始めたことだって、まだ二人の秘密にしておきたいし。ね、志保子さん」
甘え上手で強引で、いつの間にか私の呼び方もチーフから志保子さんに変わっているし。
もうすっかり彼のペースだ。