オクターブ ~縮まるキョリ~
私は由美ちゃんの前で、どんな表情をしていたんだろう。
由美ちゃんは慌てて私の肩を叩き、大丈夫だよ、と言ってくれた。
「ま、みんなもう高二だしさ。嫌がらせとか、そういう程度の低いことはやらないと思うよ。」
「うん……」
「……何にせよ、普通通りにしてなよ。春瀬くんのこと避ける必要もないし、あの子たちに気を遣う必要もないから。」
「…ありがとう。」
私が言うと、由美ちゃんは頷きを返してくれた。
そして、あ、と小さく声をあげた。
「そういえば、なんで永山くんと一緒だったの?」
「えっ?ああ、永山くんも保健室で寝てたみたい。」
「ふーん…詩帆ちゃん、イケメン二人に囲まれてモテ子だねぇ。」
「ちょ、別に囲まれてなんか…!」
私が驚いて否定すると、由美ちゃんはニヤニヤと笑ってみせた。