Wonderful DaysⅠ
「……眠っちまったのか」
あれだけ泣いたから、疲れたのだろう。
彼女ともっと話をしていたかったが、その願いは叶いそうになく……
少しの間その寝顔を見つめていたが、エメラルドグリーンの瞳が再び開くことはなかった。
諦めた俺は、熟睡してしまったマリアを抱き上げて、起こさないようにベッドまで運んだ。
「…………マリア」
横たえた彼女の名前を呼んで、そっと頬に触れる。
またしばらくの間会えなくなることを思えば、なかなか部屋を出ることができなくて。
穏やかな寝顔を見ていると、離れ難い気持ちが募るばかりだった。
───やっぱり、このまま連れ去ってしまおうか。
そんな気持ちを断ち切るように、部屋の襖をノックする音が聞こえてきたのは、それから10分後のこと。