Wonderful DaysⅠ
「───はい」
後ろ髪を引かれる思いで立ち上がり、入り口まで向かえば
「結城君、小田です」
廊下から控えめに聞こえてきたのは、カウンセラーの声だった。
襖を開けると
「お邪魔しちゃって、ごめんなさいね。あなたが部屋から出てくるまで待っていたかったんだけど、もう彼女の夕飯の時間がだいぶ過ぎてしまっていて……」
食事を乗せたトレーを持って、申し訳なさそうに謝る彼女。
ハッとして腕時計を見れば、夕飯の時間はとっくに過ぎていて。
「気づかなくて、すみません」
俺がこの部屋に来てから、かなりの時間が経っていた。