Wonderful DaysⅠ
「熟睡しているのなら、このまま起こさない方がいいわね」
そう言って、トレイを持ったまま戻ろうとする彼女。
「待って下さい。マリアの事で、少し話があるんです」
それを、慌てて呼び止める。
「マリアさんの事?」
「はい」
振り返った彼女に、コクリと頷けば
「分かったわ。そうね……此処じゃ話し声が響いてマリアさんが起きてしまうかもしれないから、私と一緒について来てくれる?」
「はい」
少し考えた後、促すように歩き出す。
部屋を出る前に、もう一度マリアの顔を見たかったが、今度こそ離れられなくなりそうで。
それを振り切るように、襖を閉めた。