Wonderful DaysⅠ
それも、聞いたこともないほどの優しい口調で。
あんな葵を蓮や神威の連中が見たら、驚きで固まっちまうんじゃないだろうか。
そんな想像をしていれば、胸ポケットからは着信を告げる音が鳴り響く。
その音に、鼓動が跳ねたのは一瞬。
「───Hello.」
ワンコール鳴り終える前に電話に出れば
『───俺だ』
予想通り、不機嫌な低い声が耳に届いた。
「マークさん」
相手の名を呼べば
『やはり、マリアを修の所に連れて行ったのはお前だったか』
マリアと会えたことを伝える前に、既に知っていたようで。
「何でそれを……」
『修から俺に連絡があった』
「……そうですか」
『まったく。GPSで追いかけていたはずなのに、うちの連中は何をしていたんだか……』
面白くなさそうに、深く息を吐いた。