魅惑のハニーリップ~危険な冒険編~
「遅くなるのは仕方ないよ。接待も仕事のうちなんでしょ?」
「……まぁね…」
「で、ここのお店、連れて行ってもらったの?」
これ以上ないってタイミングで、テーブルの上に昨夜の名刺を叩きつけるように置いた。
その名刺を見た瞬間、聖二さんがしかめっ面に変わって頭を抱える。
「ここ、キャバクラでしょ。」
「………」
昨夜聖二さんの上着から出てきた名刺は、キャバクラ嬢の名刺だった。
そういうところに男の人が行くだろうっていうのは、なんとなく想像はつくけど…。
やっぱり、現実的には知りたくないって思っちゃう。
「いや…昨日接待受けた得意先の人がさ、
こういうとこのほうが俺が喜ぶだろうって勝手に気利かしちゃって…。
最後に連れていかれた店がそこだったんだよ。」
ん?? なんでかな?
聖二さんが急に慌て出した気がする。