小悪魔な彼
 
だからこそ、困るんだ。

本気で迫られたら、拒みきる自信がないから。



「……颯太ぁ…」

「それ、余計に煽ってんだろ」

「ちがっ……」


キスが止まることはなく、あたしの抵抗が止まっていく。


「香澄……
 早く俺のものになって」

「……」


ダメだ……。
もうこれ以上は……




「もーいいかい!?」

「まーだだよ!!」



急に聞こえた子供たちの声。


あたしたちはようやく我に返った。
 
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